軟部外科

会陰尿道造瘻術

症例


5歳、雑種猫、去勢雄


主訴


陰部の過度な舐性および排尿困難
(過去にも同様の排尿困難の既往があったとのことでした)
来院時、膀胱は顕著に膨満しており、尿道カテーテル挿入を試みましたが疎通せず、尿道閉塞と判断しました。陰茎および包皮の腫脹を認めました。
超音波検査にて膀胱内結石を確認し、CT検査では陰茎内尿道にも結石を認めました。

膀胱穿刺により膀胱内尿を完全排出し、消炎鎮痛薬投与による陰茎の腫脹軽減を目的とした内科治療を実施しました。
その後、すぐ自力排尿は可能となりましたが、尿道カテーテルは依然として疎通せず、尿道内結石の残存を認めました。
再閉塞のリスクおよび今後のQOLを考慮し、会陰尿道造瘻術の適応と判断しました。
手術
包皮の損傷が認められたため、Wilson & Harrison法による会陰尿道造瘻術を実施しました。この術式は、尿道径の広い骨盤部尿道を皮膚へ直接吻合し、新たな尿道口を形成する方法です。

https://www.eug.jp/elms/wp/wp-content/uploads/2026/07/image.png (手術画像注意)

術後は、創部汚染防止を目的として尿道カテーテルを2日間留置しました。カテーテル抜去後は自力排尿を確認し、一般状態良好のため退院しました。

術後経過


退院後は創部保護のためエリザベスカラーを装着します。複数回の再診において、創部治癒は良好で排尿も円滑であり、経過は順調です。

今後は、尿石症再発予防を目的として、療法食およびサプリメントによる管理を継続し、定期的に超音波検査や尿検査を実施していきます。

猫さんは尿石症のトラブルが多いです。発見が遅れると、急性腎障害がおき命に関わることもあります。結石は健診で見つけられることもありますので、ご相談ください。

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