尿管結石

尿管結石(尿管閉塞)とは腎臓に形成された結石が尿管(腎臓と膀胱をつなぐ管)に流入して狭窄や閉塞を起こす状態です。
また、運良く結石が膀胱へ排出されても一旦停滞していた部位で炎症による狭窄や閉塞をきたす場合もあります。
このように尿の流れが停滞すると、腎臓に尿が貯留する状態(水腎症)や尿毒症を起こす事もあります。
また、時に尿管が破裂して尿が腹腔内へ漏れ、腹膜炎を起こす事もあります。
このように尿管結石は適切な治療を行わないと命に関わる緊急疾患に分類されます。

原因

腎臓に形成された結石が尿管に流れ込む事が大半ですが、結石が通過した後に炎症による狭窄が起きる事もあります。

症状

尿毒症に関連した嘔吐・食欲不振などに加え、場合によって虚脱、無尿、腹痛を呈する事もあります。

診断

・血液検査:BUNやクレアチニンなどの尿毒素の上昇を確認します。
・尿検査:結石成分や出血、炎症、細菌感染の有無などを検出します。
・画像診断:エコー、レントゲン、CTなどで水腎症や結石の有無を確認します。
当院では主にCT装置を駆使して詳細な病態の把握と術式選択を行っています。

治療

①内科療法
輸液療法、消炎剤、抗菌剤、尿管の痙攣を抑える薬剤などがあります。
②外科療法
尿管結石は多くの場合、内科治療にて十分に奏功しないか、効果が出る前に緊急的な手術を要します。
手術では結石を摘出するなどして尿の流れを確保し、腎臓で作られた尿を体外へ排出できるようにします。
術式としては尿管切開術、尿管膀胱吻合術、尿管ステント設置術、皮下尿管バイパス術(SUBカテーテル)などがありますが、結石の場所や尿管の状態などで術式を選択します。
当院ではCT装置により綿密な手術計画のもとにSUBカテーテルなどの最新の治療法も実施する事が可能です。
手術により尿の流れが確保できれば尿毒症などの症状は劇的に改善します。
特殊なインプラントを使用した場合も通院での管理が可能です。