軟部外科

会陰ヘルニア

M.ダックス 8歳 未去勢雄
便が出づらく、左側のお尻が腫れているとの主訴でご相談いただきました。
直腸検査や各種検査にて、会陰ヘルニアと診断しました。

会陰ヘルニアは未去勢の中高齢の雄犬に多くみられます。雄ホルモンの影響や腹圧の上昇、筋力の低下などで肛門周囲の筋肉が萎縮し、隙間ができ、そこから直腸や膀胱などが出てきてしまう病気です。

この子は、左側に大きなヘルニア孔があり直腸が出ていました。右側も小さなヘルニア孔があり脂肪が出ていました。
治療として、外科手術〈両側会陰ヘルニア整復+去勢手術〉を実施しました。

手術前

https://www.eug.jp/elms/wp/wp-content/uploads/2025/09/image-1.png (手術画像注意)

左側は直腸が伸びて憩室になっていたので縫縮し、内閉鎖筋フラップを用いながらヘルニア孔を閉鎖しました。右側は縫縮なしで左と同様に閉鎖しました。

術後はなるべく腹圧をかけないように、便軟化剤を1週間ほど服用してもらいました。
その後、傷も綺麗に治り、排便時のしぶりもなく快適に過ごせているようです。

会陰ヘルニアは去勢手術で発生率が下がることがわかっていますので、去勢手術はお勧めします。排便症状など気になることがありましたらご相談ください。

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