軟部外科

胆嚢摘出

プロフィール

チワワ、6歳、去勢雄

主訴

過去に3度の胆嚢炎、胆管肝炎の治療をしており、慢性胆嚢炎の繰り返しによる胆嚢破裂を予防するために、開腹手術を行い原因となっている胆嚢の摘出を行いました。

診断

手術当時は慢性胆嚢炎に伴う軽度の肝数値上昇のみで、本人の体調は問題ありませんでしたが、過去には元気食欲低下、発熱、嘔吐、腹部痛などの症状に加え、特徴的なものとしては体が黄色くなってしまう”黄疸”という症状が出ていました。
診断には臨床症状に加えて、血液検査、超音波検査などで総合的に診断をしました
血液検査では、肝酵素(ALT・ALP)や炎症マーカー(CRP)の上昇が見られました。

過去に胆嚢炎で診断した際の超音波画像


左:胆嚢壁が厚くなり、胆泥が溜まった胆嚢
右:総胆管の拡張と周囲の炎症

手術

手術の際、開腹してみると胆嚢周辺は慢性的な炎症所見である脂肪・大網などへの癒着が強く認められました。手術では脆くなった胆嚢が破けないよう、慎重に胆嚢を肝臓から剥離していきます。

https://www.eug.jp/elms/wp/wp-content/uploads/2026/09/image-3.png (手術画像注意)

https://www.eug.jp/elms/wp/wp-content/uploads/2026/09/image-4.png (手術画像注意)

https://www.eug.jp/elms/wp/wp-content/uploads/2026/09/image-5-750×462.png (手術画像注意)

摘出した胆嚢を切ると、赤黒くドロドロとした泥状の物質が出てきました。通常の胆汁は黄色い液体ですが、粘液嚢腫の場合はこのように異常な物質が溜まってしまいます。

治療経過

術後、摘出した胆嚢を病理検査に提出して詳しく調べたところ、”慢性化膿性胆嚢炎”と診断結果が返ってきました。

胆嚢の病気は、初期の状態では無症状なことも多く、また嘔吐や下痢といった症状では胃腸炎と大きく変わらないため動物病院への受診が遅れてしまうこともあります。
胆嚢破裂などを起こすと、腹膜炎を生じ命の危険性が高まります。
緊急手術を行っても助からない場合があるので、早期発見が大切です。
症状が出にくい臓器のため、健康診断にてエコー検査などの画像検査も定期的に行いましょう。

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