症状・症例

ケース7

症例:腰部椎間板ヘルニアG5 骨髄単核球投与を行った例 ミニチュアダクスフンド 7歳 去勢オス

ヘルニアG5に対して神経機能の改善を促進するために手術だけでなく細胞培養室と協力して骨髄単核球投与も実施した症例です。

■第0病日(5月10日)
今朝から両後肢が動かないとの事で近医を受診。ヘルニアが疑われるとの事で当院へのご紹介をいただきました。当院来院時には両後肢完全麻痺(深部痛覚 が消失)が認められ、椎間板ヘルニアのG5が疑われました。 MRI/CT にて T12-13 左側から重度の圧迫物質が認められ、椎間板ヘルニアG5と診断しました。 G5であった事からそのまま手術(片側椎弓切除 T12-13 左アプローチ)を実施した。また、神経機能の改善を期待し、上腕骨から採取した骨髄液を培養室にて処理を行い、骨髄単核投与を実施しました。(片側椎弓切除を行った部分から針にて硬膜内へ投与)

■第1病日(5月11日)
術後翌日から深部痛およびわずかに浅部痛覚が確認されました。

■第6病日(5月16日)
明らかに浅部痛覚が確認されるようになった。また、起立が可能となりました。

■第13病日(5月23日)
右後肢のCP(固有位置感覚)の改善が認められ、右後肢中心で歩行が可能となり退院しました。

■退院後(6月1日)
左後肢のCPの改善も認められ、左後肢も使用して歩行することが可能となりました。 少しずつ散歩にも出してもらうようにしました。

■退院後(7月12日)
わずかなふらつきはあるものの良好な歩行が認められ、神経学的検査でもほとんど異常は認められませんでした。基本的には病気の前と同様の生活ができる ようになりました。