症状・症例

ケース6

症例:ミニチュアダックスフンドの未去勢雄 8歳

■第0〜5病日
なんとなく調子が悪いということでかかりつけを受診。身体検査では右後肢の固有位置感覚が正常~低下、血液検査にて肝酵素の軽度上昇を認めましたが、その他は異常ありませんでした。椎間板ヘルニアグレード1~2としてステロイド治療を開始しました。

■第6病日
一般状態に異常はなく、排便排尿も自力でできる状態でしたが、再度の血液検査で肝酵素上昇が悪化していました。そのため、無麻酔でのCT検査にて脊髄の圧迫病変の確認を希望され、柏の葉院を受診されました。
身体検査では神経学的検査にて後肢姿勢反応の低下~消失を認めました。浅部痛覚は異常ありませんでした。また、前肢やその他の部位でも異常は認められませんでした。
当院での血液検査でも肝酵素は上昇していたため、無麻酔でのCT検査を実施しましたが、脊髄を圧迫する明らかな病変は見つけられませんでした。
肝酵素の上昇があるため、入院下でのケージレスト、ステロイド治療、点滴を開始しました。

■第9病日
肝酵素が低下してきたため、麻酔下でのCT検査を実施しました。脊髄造影を行ったところ、右側第2-3腰椎間で硬膜外から脊髄を圧迫する病変を認めたため、腰部椎間板ヘルニアと診断しました。
このとき、すでに行っている内科治療で良化傾向であったため、手術は行いませんでした。

■第11病日
神経学的異常は認められず、元気に歩いてくれていました。一般状態も良好のため退院しました。

■第153病日

痛いのか分からないが、最近元気がないということで来院されました。身体検査や血液検査では特に異常はなかったため、椎間板ヘルニアによる痛みの可能性として、痛み止めを開始しました。

その後、第275病日まで症状の再発はなく、良好な経過をたどっています。